主の御降誕おめでとうございます。
私たちのうちに、救い主がお生まれになりました。この世界に…。この
方は、どのように私たちをお救いになるのでしょうか。私たちは、何をこ
の方に期待するのでしょうか。…子どもたちは、自分の欲しいクリスマス
プレゼントを期待しているかもしれませんね。 …でも、その前に…私たち
は、自分たちの期待をこの方にぶつける前に、…この方のみ顔を仰ぎ、こ
の方の息遣いを感じ、この方のみことばに耳を傾けたいと思います。つま
り、…この方を訪ねることから始めたいと思うのです。真の 「いのち」 と
出会う旅へ…
日常に追われている羊飼いたちに、関心や興味に没頭している占星術の
学者たちに、ひとつの「ことば」、ひとつの「しるし」が与えられました。
それは、ユダヤの王であり、救い主の誕生の「良い知らせ」でした。羊飼
いたちは、この「(天使の)ことば」を 我が事のように受け取って、日常から
離れ、救い主に会う旅を始めました。学者たちは、その「しるし(星)」を
我が事のように受け取って、相応しい贈り物を携えて、日常から離れ、
ユダヤの王に会う旅を始めました。
「みことば」の導きに、「星」の導きに従って彼らが見たものは何だった
のでしょうか。彼らが見たものは、飼い葉桶に寝かされている、貧しい夫
婦に抱かれている、「ただの」、「普通の」、「貧しい」 幼子だったのです。
しかし、「みことば」の、「星」の導きに信頼して、従って見つけた幼子の
内に、彼らは何を観たのでしょうか。 彼らが観たものは、神の業と、
神の権威の輝きでした。そして、幼子と出会った、神の業を受け取った
彼らのうちに、神からの喜びと平和が与えられたのです。主に信頼した
者たちへの神ご自身からのプレゼントでした。
私たちも受けましょう、「いのち」のみことばを。私たちも信頼しまし
ょう、主の導きを。さあ、出かけましょう、自分たち世界から。私たちの
ためにお生まれになったイエス様に出会うために。……主からの喜びと
平和が、私たちのうちにいつまでもありますように。 アーメン
2013年12月24日
主任司祭 高野哲夫